【完】僕と君のアイ言葉


「…田中くんに…」



先生の口から“田中くん”と言う言葉が出てきた時、ドキッと心臓が飛び跳ねた。



「連絡待ってるからって言ってもらえるかしら??」



「…」



先生の言葉を聞いてフリーズしてしまった。



「小松さん?大丈夫?」



大丈夫じゃないよ。

心が悲鳴をあげてるよ。

苦しいよ。



「…だ、大丈夫ですよ…分かりました」



先生と田中くん…連絡を取る仲なんだ…

私は勇気がなくて聞けなかった連絡先…

私に勇気があれば…



「でも…顔色が」



「大丈夫です!!」



私は必死に笑顔を作り大丈夫と言い張る。

そんな努力とは裏腹に、冷や汗が出て来て体が冷たくなるのが分かる。

< 80 / 258 >

この作品をシェア

pagetop