【完】僕と君のアイ言葉
「田中くん!今日は予定ある?」
あの日から私はいつも通りに戻っていた。
特に彼を避けることなく、むしろ積極的に話しかけていると思う。
そんな私は田中くんの放課後の予定を聞く。
「…ごめん、僕ちょっと寄らなくちゃならないところがあるんだ」
まただ…
あれからずっと田中くんに断られてばかり。
最初は〝一緒に帰ろ?〟と聞いていたが、いつも断られるので〝予定ある?〟と言う聞き方に自然と変わっていた。
「そっか、分かったよ」
断られる事にも少しだけ慣れてきて、ダメージも減っていた。
最初に断られた時は結構なダメージを受けたことを未だに覚えている。
「また明日ね!」
私は明るく振る舞い、愛奈と一緒に教室を後にした。