隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


クラスの意見がまとまるのも早く、時間が余り、残りの時間で主要キャストを決めることになった。



「オーディションで決めたらどうですか?」



学級委員長がそう意見を出す。



「オーディションという意見が出ていますが、他に何かありますか?」



いつもふざけてばかりいるくせに…



淡々と話し合いを進めていく。



「私、王子様と白雪姫は碓氷くんと緒方さんがいいと思いまーす!」



「へっ…?」



いきなり飛び出した案に、私は思わず声をもらす。



「は?コイツと?」



横目で私を見た宙は、いかにも嫌そうな顔をする。



さっきまでの真面目に話し合いを進めていた人とは思えない態度だ。



「なに」



「お前が姫とか…ふっ笑える」



そりゃ、私は可愛くもないし姫なんてキャラじゃないのは、自分が一番わかってる。



「宙が王子様って方がよっぽど笑えるね」



白雪姫に出てくる王子様ってたしか、白馬に乗ってくるよね?



宙が白馬に乗って登場?



絶対ありえない。

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