隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


───パンパン



手を鳴らしたのはたっくんだ。



その音を聞いて、私と宙を含め、クラス中が静まり返る。



「それでは多数決を取ります」



えっ?



「おい、竜也…?」



進行係の宙を差し置いて、進行を始めるたっくん。



「王子役は宙、白雪姫役は茉奈ちゃんに賛成の人挙手お願いします」



たっくんがそう言うと、私たちを除いた全クラスメイトと後ろで見ていた担任の先生までもが一斉に手を挙げた。



「え、あの……」



「はい。多数決の結果、王子役は宙、白雪姫は茉奈ちゃんね?頑張ってー」



いつもの笑顔でそう言って私たちを見たたっくんは拍手をする。



それにつられてみんなからも拍手をされる。

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