隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「餃子?…本当、可愛くねーよなお前」
「可愛くなくて悪かったわね。食べたかったんだから仕方ないでしょ?別に作ってくれなくたっていいし!」
可愛くないことなんてわかってるし!
食べたいものは食べたいんだから仕方ないじゃん。
バカにするなら聞かないで欲しい。
「別にお前に作ってやるなんて一言も言ってねーけど?俺は何食べたいって聞いただけだし」
「なっ!」
なにそれ。
ずるいでしょ!
誰でも〝何食べたい?〟なんて聞かれたら、作ってくれるって思うよ。
「作ってなんて言ってないし。自分で作るからいいよ」
いいよいいよ。
餃子くらい自分で作れる……はず。
とっても自信ないけど。
「あっそ。楽しみだな、茉奈の手作り餃子」
「なによ、その嫌味ったらしい言い方は!」
今日こそやってやるんだから。