隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「わっ、いったぁ…」
「ったく……」
見てらんねぇ。
「ちょっと来ないでって言ったでしょ?」
いてもたってもいられなくなった俺は、しびれを切らしてキッチンへ行く。
まな板の上には、みじん切りとは言えない大きさの野菜。
「来い」
「な、何よ!」
嫌がる茉奈の腕を掴んでリビングに連れ出し、ソファーに座らせる。
たしか絆創膏はあそこにあったはずだ。
記憶を頼りに救急箱を取り出して、絆創膏を探す。
「絆創膏くらい自分で貼れる」
「いいから大人しくしてろ」
何回指切ってんだよ。
不器用なくせに、変なところで負けず嫌いでやる気だけはひと一倍。
俺が何か言ったところで引き下がらないのが茉奈だ。