隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「もしかしたらすっげー不味いかもな?」



「なっ!そんな事言うやつに食べさせるものはない!」



そう言って餃子の並んだ皿を俺から遠ざける。



ちょっとからかっただけだろ。



すぐムキになんだから。



「いただきます」



そんな茉奈をよそに、茉奈の初手作り餃子を口に運ぶ。



野菜がみじん切りじゃないせいか、シャキシャキという食感が残る。



でも……



「美味いんじゃない?」



「…う、ウソつかなくていいし!不味いなら不味いって言いなさいよ」



んなこと言うかよ。



まじで美味しいんだから。



〝美味しい〟



それは俺の口から思わず出た言葉。



「ウソじゃねーよ。やればできんじゃん、茉奈」



「……っ」



そう言ったあとの茉奈はなぜか顔を赤くして、俯いて照れ隠しをしていた。



なんだよ、そんくらいで。



予想外の茉奈の反応に、俺までが照れくさくなる。

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