隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
とにかく我慢、ガマン……
「じゃあね、茉奈ちゃん、宙」
学校から少し離れた住宅街の十字路。
すみれとたっくん、私と宙はこの十字路で分かれる。
「ばいばーい!」
ふわふわした笑顔で手を振るすみれに、不機嫌だった私も笑顔になる。
「すみれ、たっくん、また明日ね!」
「ん、じゃっ」
手を振る私とは裏腹に、素っ気ない言葉だけを残して歩き始める宙。
毎回思うけど、その態度がムカつく。
それが顔に出てしまっていたんだろうか…
「茉奈ちゃん、宙はそうゆうやつだからさ」
たっくんからつっこまれてしまった。
「うん、重々承知」
わかってるんだけどね、許せない。
友達ならさ、しかもたっくんに関しては親友のはずなのに…
もっといい挨拶くらい出来ないんだろうか。