隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「俺にウソつくとか、甘いね宙。特に茉奈ちゃんのことは騙せないよ?」



「…はぁ」



不敵な笑みを浮かべる竜也に、深いため息をつく。



どれもこれもウソだ。



本当はアイツが好き。



顔も見たくないなんて微塵も思ったことはない。



むしろ、毎日笑顔を見ていたい。



だから料理だって毎日作る。



アイツが……茉奈が好きなものを。



ドライヤーに関しては、ただ俺の自己満足にしか過ぎないけど。



「それで、どうしろってんだよ」



「どうしろって?」



「お前が俺に期待の目で見てくるから聞いてんだよ」



ずっとだ。



茉奈がいるときなんかは特に〝なにか行動を起こせ〟と言わんばかりの視線を送ってくる。

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