隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。

それから二人とは別れて、宙の後ろをついていく。



本当はついていきたくはないんだけど……



家が同じ方向だから仕方ない。



同じ方向……



それだけならまだいいんだけど



宙の家は私の家の隣。



最悪なことに、私たちの部屋まで隣り合わせ。



どこまでも離れられない私たち。



だからと言って一緒に歩くわけでもなく、一定の距離を保ったまま。



少しでもコイツとは距離をとっておきたいのが私。



とにかく早く家に帰りたい。



すみれとたっくんと分かれてから、私の前をノロノロと歩く宙。



なんで急に歩くペース落ちてるのよ。



「遅い」なんて口をきかないと言った奴に文句を言えるはずもなく、宙を抜かしてしまおうと歩くペースを速める。

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