隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


なんだかんだ言って、実際見つけてくれたのはたっくんだけど、助けてくれたのは宙かもしれない。



やるじゃん、私のウソ彼氏。



「宙のこと見直した?」



「ま、まぁ。やるときはやるじゃん」



「素直じゃないね、茉奈ちゃんも」



〝も〟って何?
〝も〟って。



「だってさ、宙」



「え、宙?」



ちょうど宙が私たちがいる場所に到着したみたいだった。



「茉奈ちゃん、良かったあー」



私を見て安心したのか泣き出したすみれ。



「すみれっ!?私は大丈夫だから、ね?ほら!元気元気っ!」



すみれをギュッと抱きしめてから、ニコッと笑ってみせる。



すみれはコクっと頷いて、笑顔を返してくれた。

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