隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「じゃあ、俺ら行くね?」



「バイバイ、茉奈ちゃん、碓氷くん」



「うん、バイバイ!ふたりともありがとう!」



本当に、私を捜すのに協力してくれて、ありがとう。



感謝の気持ちを込めて、手を振った。



もう行っちゃうの?とも思ったけど、せっかくのデートだもんね?



だから、楽しんで。



「あ、宙ー!もう茉奈ちゃん離すんじゃねーよー!」



ちょっと離れたところから叫ぶたっくん。



それってどういうこと!?



「あぁ」と横で小さく返事をする宙。



そんな叫ばれたら、恥ずかしいんですけども。



「おい茉奈」



「…なによ」



すみれとたっくんの姿が見えなくなってから、突然声を低くして私を呼ぶ宙。



なんで怒ってるわけ?



意味わからないし。

< 214 / 314 >

この作品をシェア

pagetop