隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「じゃあ、俺ら行くね?」
「バイバイ、茉奈ちゃん、碓氷くん」
「うん、バイバイ!ふたりともありがとう!」
本当に、私を捜すのに協力してくれて、ありがとう。
感謝の気持ちを込めて、手を振った。
もう行っちゃうの?とも思ったけど、せっかくのデートだもんね?
だから、楽しんで。
「あ、宙ー!もう茉奈ちゃん離すんじゃねーよー!」
ちょっと離れたところから叫ぶたっくん。
それってどういうこと!?
「あぁ」と横で小さく返事をする宙。
そんな叫ばれたら、恥ずかしいんですけども。
「おい茉奈」
「…なによ」
すみれとたっくんの姿が見えなくなってから、突然声を低くして私を呼ぶ宙。
なんで怒ってるわけ?
意味わからないし。