隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「茉奈」
「ん?」
箸で唐揚げを持ちながら、私の名前を呼ぶ宙。
なかなか何も言わないから、何の用かと振り向く。
「……ふぁ、んっ!」
いきなり口の中に突っ込まれた───唐揚げ。
こ、これはもしや……!
「あーん、なんてラブラブですねえ?」
ニヤニヤと私たちを見つめるすみれとたっくん。
「なっ!ほあ、ほあのへひへー!(ほら、宙のせいでー!)」
「あ?なんて言ってるかわかんねーし」
宙は、そんなのお構い無しというふうに、ただひとりお弁当を食べ続けていた。