隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「宙ー!ちょっと来て」



大道具を作るためにダンボールを切っていた宙を呼び出す。



「はい。よろしく」



寸法を測るために呼び出されたのがすぐにわかったのか、大人しく目の前に立った宙。



「はいっ」



「え?」



なぜかすみれから手渡されたメジャー。



私が不思議そうな顔をすると、ニコニコと楽しそうな表情をするすみれ。



もしかして……



またよからぬことを考えてるんじゃ……



「ほらっ、茉奈ちゃん碓氷くんの彼女なんだから測ってあげて?彼女じゃないすみれは測れないよー」



…とすみれが耳打ちしてきた。



「はぁっ!?待って待って…違うから!」



「えー?何が違うの?」



彼女って……



それはウソなんだから、別に…!



メジャーを返そうとしても、受け取ってくれない。

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