隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「ね?か・の・じ・ょでしょっ?」



もーっ!!



教室にいるから大声で否定することも出来ず、顔をしかめる私。



「なぁ、早くしてくれない?みんなに任せてきてんだから」



「あ、ごめん。作業中だもんね…」



他のみんなに迷惑をかけるわけにもいかず、仕方なく宙の寸法を測る。



横目ですみれを見ると、とても満足そうな笑顔を浮かべていた。



……やられた。



うぅ、悔しい。



この、小悪魔めーっ。



悪気がなさそうにやってくるから、恨めない。



上は頭囲から、下は股下まで隅から隅まで測っていく。



「はい、終わり!ありがと、宙。戻っていいよ?」



「ん、どーも」



一言お礼を言って、宙は作業をしていた場所へと戻って行った。

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