隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「ありがと、宙!早く買い物して帰ろー!」
「ちょっ、おい茉奈!」
すっかり上機嫌になった私は、宙と繋いだ手をブンブンと振りながら歩く。
「えーっと、頼まれたものは……あれ」
ポケットをガサゴソと漁るが何も出てこない。
カバンに入れたんだっけ?
「ちょっとごめん」と宙に謝って、手を離しカバンの中を見る。
……ない。
どこにも、ない。
「宙……あははっ」
もう、これは笑うしかない。
乾いた笑いをする私を見て、宙は何かを察したようだった。
「まさか…」
「メモした紙、学校に置いてきちゃった」
一体、何をしに来たんだ私たちは……。