隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
◇アイツの不器用な溺愛
「……実はね?」
そんなカミングアウトをされたのは、学校祭の前日だった。
すべてはたっくんとすみれに仕組まれていた突然行くことになった買い出しデート。
「すみれがメモ抜き取ったんだよ、ふふっ」
「……はいっ!?」
ショッピングモールについてポケットを確認しても、カバンの中を確認しても、見つからなかった買い出しリストのメモ。
たしかに私は、メモを書いた後ポケットに入れたんだ。
それを……
すみれのバカー!!
そのせいでひやかしの嵐とリーダーからのお説教の嵐にあってしまったのに。
なんで気が付かなかったんだろう。
あの時教室の中で不敵な笑みを浮かべている人がもうひとりいた事に。
あー、私もバカ……。