隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「ありがと、茉奈ちゃんっ。次は茉奈ちゃんの番だよ!」



ニコッと笑ったすみれは私の背を押して連れていかれる。



そこには私にはもったいないくらいかわいい白雪姫の衣装がマネキンに着せられていた。



「これ、私が着るの?」



「もちろん。茉奈ちゃんにぴったりなはずだよ?」



私の衣装を作ってくれた衣装係の女の子は、自信満々だった。



「じゃあ、制服からこれに着替えてね?」と衣装を渡されて個室に入り、着替える。



後ろについているチャックは自分でしめるのは大変で、手伝ってもらう。



それからヘアアレンジとメイクをしてもらい、鏡を自分で見たのはすべてが終わった後のこと。



「……すごい」



なんてことでしょう。



自分のことをかわいいと思うなんて、どうかしているんじゃないだろうか。



そう思ってしまうくらいかわいい衣装で、かわいいヘアスタイルで、かわいいメイクをされていた。



まるで別人のよう。



「ありがとう」



「どういたしまして」



しばらく私は鏡の前で、魔法にかけられたように別人のような自分に酔いしれていた。


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