隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「お疲れ様!」
緊張していた場が、ほっと和む。
なのに、鳴り止まない胸のドキドキ。
隣にいたはずの宙は、もう隣にいなかった。
「あれ?碓氷王子は?」
リーダーにも聞かれたけれど、何もわからずただ横に首を振った。
「茉奈ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。ステージの上って照明で暑いから…それで」
「あー暑いよね。わかるわかる。あと!最後のシーン、とっても良かったよ!角度とかも完璧だったし、あの間がドキドキしてとっても良かった!大成功だよ!」
〝大成功〟
そんな言葉をリーダーにもらえたのはとっても嬉しい。
でも、完璧だったのは、本物だったからだよ。