隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
◇アイツに✕✕ ー宙sideー
ついに始まった学校祭。
遅刻寸前で学校に滑り込み、ついた矢先に
連行されて衣装に着替えさせられた。
用意されていたのは、白いタキシード。
お伽噺によく出てくる王子様のよう。
って、一応俺は王子役か。
衣装に袖を通すと、俺の体に見事ぴったりだった。
「おー、宙。似合ってんじゃん」
「それはどーも。竜也だってかわいいじゃん」
「それは嬉しくないね」
なんて何気ない会話を交わしているうちに、校内放送がかかり、学校祭が始まった。
その後シフトが入っていない俺と竜也は校内をふらついて、劇までの時間をつぶした。
そして、劇本番。
舞台裏には妙な緊張感が漂っていた。
出番が俺より早い竜也を見送って、自分の番を待つ。
王子はクライマックスでの登場だ。