隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「あの日〝茉奈を落とす〟なんて意気込んでたくせに」



「うっせーな。竜也だってすみれとなんも進展ねーじゃん」



「俺はそれなりにデートに誘ったりしてるよ。すみれが鈍感すぎるだけ」



竜也の言葉に偽りはない。



たまに学校帰りにふたりで出かけたり、休みの日も遊んでいることも多い。



それに比べたら俺は何をするわけでもなく、ただ日々を過ごしているだけだ。



けど…



「俺だって少しは行動してる」



「ふーん、どんな?」



昨日だってな、不安そうな茉奈を見ていられなくて抱きしめたり、かわいいと口に出してみたり、好きだと伝えたり。



それを聞いた竜也は目を輝かせていた。

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