隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
2日目は昨日よりも人が多く、夕方には完売してしまった。
「模擬店も楽しかったねっ」
「うん。でも忙しくて疲れちゃった…」
シフトが終わってから私とすみれは、タピオカジュースを飲みながらおしゃべりをしていた。
「そうだ。茉奈ちゃん、後夜祭の花火誰と見るのー?」
「あー、花火ね。今年も見る人いないし、すみれと見たいなあ」
去年もそうだった。
花火は毎年カップルがイチャイチャしながら見ている。
そんな中相手がいない私みたいな人は友だちと寂しく楽しむんだ。
ただ、去年はすみれとふたりのはずが、たっくんと宙も来て4人だったんだけど。
なかなか返事のないすみれの方を見ると、すごく申し訳なさそうな顔をしていた。
「もしかして、もう先約いた?」
「うん……たっくんと一緒に見る約束してるんだ。だから、ごめんね?」
「ううん、全然いいの。一緒に見る人他に探すから!」