隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


昨日の劇での事故。



突然宙が近づいてきて、触れてしまった私たちの唇。



私のファーストキスが奪われた瞬間。



あまりにも突然のことで、放心状態になってしまったけど、なぜけ嫌な気はしなかった。



「あれ?思い出しちゃった?りんご茉奈ちゃん」



「ち、違うっ」



慌てて顔を隠しても、もう遅い。



というか、逆効果だ。



「…あれ、やっぱりふたりの仕業だったんだね」



「もっちろーん!」



「もっちろーんって……」



「そのおかげでふたりの距離近づいたでしょ?」



そんなの、わからない。



昨日だって宙は現れなかったし、今日の朝もバラバラだった。



「もう、全然ふたりに進展ないんだもん。碓氷くんも、いっそのこと茉奈ちゃんに告白したらいいのに…」

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