隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「告白なら、されたよ?」



「えっ!?いつ!?どこで!?」



私のカミングアウトにすみれは食い気味だ。



「いつって言われても…私が寝る寸前で夢か現実かわからないけど〝お前が好きだ〟って言われた」



そう、その告白はわからない。



私の勝手な夢の中かもしれない。



第一、宙が私のことを好きだなんて言わないだろうから。



「じゃあ、聞いてみたら?」



「聞く!?」



「うん、花火に誘ってその時に」



いや、無理無理無理無理!!



私が宙に告白!?



そんなのありえない。



「まず、私、宙のこと好きだなんて言ってないよ?」



「でも、碓氷くんのこと好きでしょ?」



「……」



嫌い、好きじゃない……



否定の言葉ならたくさん思いつく。



さんざん言ってきたんだから。



でも、こんな気持ちの時はなんて言えばいい?


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