隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



***



「宙……」



昨日ぶりの宙だ。



こんなこと思ったことないけど…



今、会えて嬉しいって思った。



毎日のように会ってるのにね?



昨日ぶりのはずなのに、嬉しいだなんて……



恋の力は恐ろしい。



「すみれー、茉奈ちゃーん!!」



遠くからたっくんが私たちに手を振る。



私たちも一緒に手を振り返した。



後夜祭の花火を見るために、すみれとたっくんは中庭の花壇の前で待ち合わせしていた。



それに私はついてきたってわけ。



ついてきたってよりは、連れてこられたの方が正しいんだけど。



それは宙も同じようで、たっくんと一緒にやってきた。


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