隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
空もすっかり日が落ちて、星空が浮かび上がる。
雲もかかっていなくて、ちょっと吹く風が花火に最適な天気だった。
「じゃあ、またね、ふたりとも」
「バイバーイ」
たっくんとすみれは、仲良く手をつないで行ってしまった。
私たちが思っているより、ふたりの恋は発展しているのかもしれない。
「行っちゃったね」
「ああ」
そこに取り残された私と宙。
なんか、とても気まずい。
あのふたりには、もう少しここにいて欲しかったかも。
「なぁ」
「…なに?」
「一緒に花火見るか?どうせ見る相手いねぇーだろ?」
う、うるさいなあ……
どうせいないですよ。
あと、一緒に見るなら、宙とがいいな……なんて。