隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


なかなか返事のない宙。



……なに?



この間が怖い。



「茉奈、起きてたのか?」



「……だから、夢の中の話でっ」



「そっか…」



あぁ、バカだな私。



聞いた意味ないじゃん。



って聞いたわけじゃないか……。



「お前さ、あの日…劇の前日の夜寝る前に〝なんで、そんなに優しいんだ。いつもムカつくことしかしなかったくせに〟って言ったろ?」



たしかに、そんなこと聞いた気がする。



宙の態度があまりにも違ったから。



「だから、答えたんだよ。〝お前がかわいくてしかたねぇから〟〝茉奈が。お前が好きだからだよ〟ってな」



「えっ……」



───ヒュ〜、バーン。



宙からのカミングアウトと同時に花火が上がった。


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