隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


「そ、宙…ごめんっ!!」



とっさに窓をガラッと勢いよく開けて、深々と頭を下げて謝る。



「寒い中でいつまで待たせるつもりだ?それになにが〝なにっ!今忙しいのっ!〟だ」



あぁ、宙さんがお怒りだ……



そりゃあ、まあ、真冬の凍えるような寒空の下で待たせてしまったらね、怒りますよね。



「ごめんなさい…。何でもしますから許してください」



私の全力の謝罪。



この発言に後から後悔する。



「言ったな?だったらあと3分で出てこい」



「さ、3分?何も出来ないじゃん!そんなすぐに出られないよっ!」



「はぁ?何でもするって言ったろ?3分あればカップラーメンできんだろ」



それとこれとじゃ別じゃないか!



反論しようと思ったのに、早く来いよとだけ言って宙は部屋を出ていってしまった。



あぁ、どうしよ。



残された私の時間はあと3分。



せっかく髪の毛も巻こうと思ってたのに3分じゃ無理。



元々準備が遅れてしまった私が悪いんだけど……



最後に私のお気に入りのリップグロスを唇に塗って家を飛び出した。


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