隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


うぅ、寒い。



外は意外に寒くて、ブルッと体が震える。



「ごめん宙、お待たせ」



「ん、別に」



さっきまで怒ってたくせに…



「ったく、それじゃ寒いだろうが、何のために3分の時間取ったんだよ」



「だから3分じゃなにも……っ!?」



「こんなリップするより、ほら」



私の唇を親指で軽く拭った宙は、自分のしていたマフラーを私の首に巻いた。



宙が、こんなことするなんて……



「あり、がと……」



私だって戸惑ってしまう。



宙が巻いていたマフラーにはちょっぴり温もりも残っていて、とても温かかった。



「……」



宙は無言で私の手をとって歩き出した。



宙に手を引かれながらついていく。

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