隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「どこいくの?」
日が暮れ始めた見慣れた道を歩いて行く宙。
「さぁ」
さぁって何よ、さぁって。
どこに連れていく気?
なんて思いながら、少しワクワクしている私がいる。
最寄り駅から電車に乗り、しばらく歩くと、人が多い大きい通りに出た。
どこを見ても人、人、人。
しかもカップルばかり。
「人、多いね」
「クリスマスだからな」
何気ない会話を挟みながら歩き続ける私たち。
宙は足を止めそうにない。
本当にどこへ向かっているんだろう。
どこかわかったのはもう少し後だった。
「大きい……」
着いたのは広場。
そこにあったのは見上げないと上の星が見えないくらい大きいクリスマスツリー。
「やっぱりクリスマスといえばツリーだろ」
宙はそう呟いた。
たしかに。
ツリーを見れば、あぁ、クリスマスだなって思う。