隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


そんなやり取りをしているうちに着いてしまった地元のスーパー。



夕方っていうのもあってか、仕事帰りの人が多い。



結局私の腕は宙に掴まれたまま。



「はい」



「何これ」



「どう見てもかごだろ」



スーパーに入るなり、すぐに手渡された買い物かご。



「そんなのわかってるよ!バカじゃあるまいし」



「は?お前バカだろうが」



「はぁー?」



こいつは本当にどこまでもムカつく!



「もういい、帰る。ご飯もいらない」



手を振り解こうと精一杯腕を振るけれど、やっぱり宙の手の中からは抜けられない。



どんなに降ってもびくともしなかった。



「何言ってんだ、こんなほっせぇくせに。何がなんでも食わせるからな、このバカが」

< 33 / 314 >

この作品をシェア

pagetop