隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
そんなやり取りをしているうちに着いてしまった地元のスーパー。
夕方っていうのもあってか、仕事帰りの人が多い。
結局私の腕は宙に掴まれたまま。
「はい」
「何これ」
「どう見てもかごだろ」
スーパーに入るなり、すぐに手渡された買い物かご。
「そんなのわかってるよ!バカじゃあるまいし」
「は?お前バカだろうが」
「はぁー?」
こいつは本当にどこまでもムカつく!
「もういい、帰る。ご飯もいらない」
手を振り解こうと精一杯腕を振るけれど、やっぱり宙の手の中からは抜けられない。
どんなに降ってもびくともしなかった。
「何言ってんだ、こんなほっせぇくせに。何がなんでも食わせるからな、このバカが」