隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「それに、お前の母さんに頼まれてるしな。断るわけに行かないだろ」
「そっか…」
そっか…じゃないし!
なんで断らないのよ。
意地でもダメって、来ないでって。
「好きだよ、茉奈」
「……何、突然っ!?」
宙の瞳の先に真っ直ぐ映る私の姿。
何を言い出すのかと思えば……っ。
ありえない、絶対……!
「……ありえないんだからっ!……へ?」
そこまで叫んで気がついたら見えたのは、自分の部屋の白い天井。
…夢?
「良かった…」
こんなの、現実だったら困る。
それに……
〝好きだよ、茉奈〟
そんなこと、アイツが言うわけない。
想像するだけで鳥肌がたつ。