隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「いちゃ悪いかよ」
悪いとか、そういう問題じゃなくて……
「まず、どっから入ってきたわけ?玄関だって鍵閉めたし、部屋の窓も鍵閉めたの確認したし……窓ガラスでも割って入ったとか?」
どう考えたって入ってこれる場所はない。
本当に窓ガラス割ってきたの?
まさかとは思いつつ、きょろきょろとリビングの窓ガラスを確認する。
「そんなことするわけねーじゃん。普通に玄関から入ったけど?」
「あぁ、玄関からね。良かった……?」
待って?玄関だってちゃんと鍵閉めたよ?
「鍵も持ってない宙がなんで玄関から入れるのよ」
「鍵なら持ってるし」
「…はっ?」
チャリンと音を鳴らして、ポケットから家の鍵を取り出した宙。