隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


腹を立てながら食卓テーブルで待っていると、美味しそうな匂いを漂わせながら運ばれてくる朝食。



「……美味しそうっ」



「だろ?」



「…っ」



しまった…。



あまりにも美味しそうで、つい口に出てしまった。



大ッ嫌いな宙が作ったものなのに、そんな素直に美味しそうだなんて……。



ご飯にお味噌汁、肉じゃが……



って、なんて家庭的な!



お湯を沸かすだけでできる春雨スープにしようなんて考えていた私が恥ずかしい。



こんな宙に、こんな特技があったなんて…



認めたくない。



「いただきます」



そう言って自分の作った朝ごはんを口にした宙。



「うん、うまい」




なんて独り言を呟きながら食べている。



そんな様子を唖然と見つめる私。


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