隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
遅刻しまいと猛スピードで自転車を漕いで、そんな暴走自転車に揺られて来た私たちだけど、間に合うはずもなく、10分の遅刻だ。
10分くらい見逃してくれたらいいのに。
こんなことならもっとゆっくり来たら良かったよ。
「はい、よろしく!」
「…いやっ!」
私の抵抗も虚しく……。
くるっと体の向きを変えられて、教壇の前に並ばせられる私と宙。
「今日から学校祭までコイツら仲良しカップルが学校祭委員だ。よろしくな!」
ポンと肩を叩かれ、クラスメイトから再び拍手で迎えられ、正式に任命されてしまった。
ただ紹介すればいいのに〝仲良しカップル〟なんて言うから冷やかしの嵐だ。
「コイツと仲良しに見えるとか心外だな。」
「なっ!こっちこそ、アンタと仲良しとかごめんだわ!カップルなんてもってのほか!」
「はっ。カップルなんてこっちから願い下げだな」
お馴染みのように繰り広げられる私たちの喧嘩。
きっと、私たちが仲良くなれる日なんて、来ないと思う…。