隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


学校からの帰り道。



宙に「後ろ乗るか?」と言われたけれど、乗りたいなんて思うわけもなく、断った。



「朝は大人しく乗ったくせに」



「それとこれは別。」



朝乗ったから帰りも乗るなんて考えが甘いんだから。



どうせ自転車で帰るんだろうと、私は宙を置いてさっさと帰路につく。



私も宙の後ろなんかに乗るんじゃなくて、自分の自転車で来たらよかった。



歩きなんて遠すぎる。



いつもいるすみれもたっくんも、今日は私たちが委員会だから先に帰っちゃってるし…



みんなで帰ればこんな距離、あっという間なのにな。



急いできたからイヤフォンもないし、音楽も聞けない。



ひとりとぼとぼと歩くのはさすがに寂しい。

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