隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「……っ!?」
隣を自転車が通ったかと思えば、急に私の隣で止まる。
何かと思えば、隣にいたのは宙だった。
「なんで止まるのよ。先に帰ればいいでしょ?」
「一緒に帰んのなんていつものことじゃん」
いや、そうだけど…
いつもはすみれとたっくんがいるからであって…!
「一緒に帰りたくない気分なの!」
「そんなの知らねー」
なんて自己中な!
だからムカつくんだよ。
ちょっとそういうところ直せば、せめて大ッ嫌いって位置から普通の幼なじみくらいにしてあげてもいいのに。
「そういや、お前さっきの委員会なんも聞いてなかっただろ」
「別に、宙が真面目に聞いてたしいいと思っただけ」
「お前が真面目に聞けないと思ってたから、わざわざ真面目に聞いてやってたんだよ」
「なにそれっ!私だって真面目に聞くことできるし!」
「できてなかったし」
それを言われちゃおしまいだ。
こんなことなら、もっとちゃんと話聞いておけばよかった。
宙に反撃だってできたのに、ちっとも委員会での話の内容なんて覚えてない。