隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


誰もいない家に、ぎゃあぎゃあと私の声だけが響き渡る。



「さっきから見てたけど面白すぎ」



「はっ!?」



え、なんで…?



「なんで家にいるのよ宙。ってかいつからいたわけ!?」



料理始める頃にはいなかったはずだし、帰ってきた時にドアの鍵も閉めて、チェーンまでかけたのに。



まずどこから入ってきた…?



まさか……!



宙がいるのは、リビングにつながっている階段。



上から来たなら……



私の家に侵入してきたのは、間違いなく私の部屋の窓からだ。



「あ、あれだけ窓から来ないでって言ったのに!」



「だってよー、せっかく玄関からおとなしく入ってやろうと思ったのにチェーンかかってるし、お前の部屋から入るしかないだろ?」



「いや、なんでそんな発想になるわけ?まず、家に来る必要なんてないじゃん」

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