隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
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それからしばらくして、私がお風呂から上がっても帰らない宙。
それも昨日と同じように、私をソファーの前に座らせて髪の毛を乾かされる始末。
そろそろ帰るだろうと、思ったけれど帰る気配もない。
「いつまで家にいる気?」
とうとう痺れを切らした私は宙に問いかける。
「あ、茉奈、風呂借りるな」
いやいや、答えになってないし……
って今なんて言った?
風呂借りる?
「ま、待って!家隣でしょ?自分の家で入りなさいよ!」
「また戻ってくるのに、風呂入るためだけに家帰れってか?」
また戻ってくる?
何言ってるのこの人は。
ぼーっと考え込んでいると、躊躇もせず私を避けてお風呂場へ向かう宙。
「ちょっと待ってって!風呂くらい自分の家で!」