わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「朱里ちゃんとはぐれたのは実は結構前なんだけど…そのあと、私はしばらく音楽室に隠れてたんだ。
そしたら歩くんがね、青いかおで入ってきて…あの女の子の事を聞いたの」
音を立てなければ気付かれないってことを歩から聞いて、桜ちゃんは放送室で見つけた紙の事を教えた。
なるほどね…。
じゃあ、二人とも大体の情報は持ってるわけね。
「桜ちゃん、私はこれから朱里さんを探そうと思ってるんだけど…」
「行く!私も行くよ!」
「あ…う、うん………」
さ、誘う前に答えられてしまった…。
いや、別にそれでも良いんだけど。
結果オーライってことで。
「まだいるかわからないんだけどね、はぐれた時に朱里ちゃん、向こうの教室の方に行ったの」
桜ちゃんが私の後ろを指差して言う。
じゃあ…そこを探すしかないか。
そこにいなくてもそこまで遠くには行ってないと思うし。
「うん、じゃあ行こうか」
ついてくる桜ちゃんに声を掛けながら開けっぱなしの扉を潜ると、廊下の奥にチラリと影が動いたのが見えた。
懐中電灯持ってて良かった。
絶対懐中電灯がなかったら気付かなかったもん。