わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「………仕方ないか。
狛のことは悪いけど、後で考えよう。
まずは朱里ちゃんと望絵ちゃんを探そう」
「………そうだね。
狛くん、多分簡単には死なないだろうし…」
助けてもらったことを思い出して、そう言う。
私たちは『あの子』から逃げることは考えても『あの子』を倒すことなんて考えもしなかったから。
ましてやメトロノームを投げるなんて…。
そこまで考えて、あることを思い出した。
そう…狛くんに抱き締められて、隠れていた時のこと。
「………………………っ」
「………?芽衣ちゃん?
どうしたの?顔、赤いよ?」
今度は少し鼻声の桜ちゃんにそう訪ねられ、我に返る。
さっきも何か考えて、歩に呼び戻された記憶がある。
私、そんなに顔に出やすいかな。
「う、ううん!なんでもない!
早くみんなを探しにいこう!」
「………?う、うん…」
桜ちゃんも泣き止んだみたいだし。
私たちは、足音をなるべくたてないようにそーっと移動を始めた。
まずはこの階をすべて調べてしまおうと、小声で話しながら。