わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
昇降口の目の前にある階段を横切って、3階を走る。
二人ってことは『あの子』ではないだろう。
ぐるーっと中庭を回り込むように向こう側に行くと、携帯の明かりを頭上で振ってこちらに合図を送る人が見えた。
「あれは……悠人くんと朱里さん!」
二人、一緒にいたんだ!
良かった。
悠人くんが手を振っているし、怖いのも少しはマシになってきたのかな?
朱里さんも、無事で良かった。
「芽衣」
「悠人くん!
歩、見つけたよ!」
「本当か!?」
私を見て幾分かホッとした様子の悠人くんが、私の言葉を聞いた瞬間に目を見開く。
それから、私の後ろについてくるように走ってきた歩の姿を見て、さらに安心したような顔をした。