わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
楽しそうだなぁ、二人とも。
なんだかんだ言って、お互いに大好きなんだもん。
幼馴染みで、さらに親友、って感じ?
どんなに喧嘩しても次の日には元に戻ってそうな二人だよね。
「……感動の再会中に悪いんだけど。
さっきの放送、どういうことか説明してくれないかしら?」
そんな二人を眺めていたら、それまで黙っていた朱里さんが口を開いた。
そして、全員が口を閉じる。
さっきの、放送。
歩と悠人くんがゲームをクリアして…朱里さんと桜ちゃんが許されなかったあの放送。
「……えっとね…多分、クリア条件は『佐久間さんのために何かしたことがあるか』『佐久間さんへの謝罪の気持ちは本物か』の2つのだと思うの。
これも多分だけど…さっきの言葉、桜ちゃんはもう許されてるんだと思う。
でも、一緒にいた朱里さんが信じられなくて、朱里さんと一緒にいた桜ちゃんまで信じられなくなった…んじゃないかな」
精一杯、自分の意見をのべる。
私はこれ以上考えられないけど、きっとそれが答えなんだと思うから。
「……でも、俺なんもしてねーぞ?
あいつのためになんて…なんも」
悠人くんが、少し悲しそうにそう言った。
……やっぱり、佐久間さんも歩と同じくらい、幼馴染みとして大切な人だったんだよね。
それはきっと歩も同じで。
「……そんなことないよ。
お葬式、行ったんでしょ?
すごく、悲しかったんだよね?
その悲しみ、ちゃんと佐久間さんに伝わってると思う」
「……………。そう…か…」
悠人くんの目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
普段の姿を見ていると、泣くなんて想像も出来ないけれど。
悠人くんだって、悲しかったはず。
その背中をぽんぽんと撫でると、悠人くんはその場に座り込んだ。
私も、その隣に座る。