わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「………何やってんの」
横から聞こえた声に、私は顔をあげなかった。
なんで、狛くんはいつも…私を助けるようなタイミングで現れるんだろう。
心の隅でそう考えても、私は動けない。
うなだれたまま、狛くんの足音を聞いていた。
「………叫んだら、『あの子』に気付かれる」
「……いいよ、それでも」
「………望絵って子が、死んだから?」
「………………………」
「………はぁ」
何も言わない私に、狛くんは息を吐いた。
それから、頭の上に…心地よい、温もりを感じた。
「……あのさ。
友達が死んだとか、そんなことで自分まで死んでたらキリがないよ」
「……望絵が死んだのは『そんなこと』じゃない…」
「そういうことじゃないよ。
俺は、友達なんかじゃなくて、妹を…実の家族を亡くしたんだ」
「え…………」