わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「………言いにくいけど、それは『吊り橋効果』ってやつだと思うよ。
自分が危機的状況に追い込まれた時に助けてもらったりなんかすると……その人が白馬に乗った王子様のように見えてしまう。
…………いわば、まやかしみたいなものだから。
君は俺の事なんて好きじゃないし、一時的にそう見えているだけ」
私の頭を撫でるのをやめた狛くんが、立ち上がる。
私も慌てて立って、狛くんの方に向きなおした。
「ち、違う!本当に…!」
あぁもう、私はなんでこんなに必死になってるの?
意味わかんないよ、私。
気が動転し過ぎておかしくなったみたい。
「…………はぁ。
せっかく優しく断ってあげようとしたのに………悪いけど、俺は君のことそんな風にみてないから。
………そういうの、困る」
きっぱりと、そう言い切られた。
知ってる。
だって、会ったばかりだもん。
私、本当に何言ってるんだろう。
「あ……そうだ。
昇降口…いや、生徒玄関。
生徒玄関に行かなきゃ!」
「はぁ?」
急な私の心変わりに、狛くんは眉をひそめた。
「集合してるの。
狛くんも来て!」
「…………なんで俺が」
「良いから!
全員がゲームクリアしないと帰れないんだから、黙ってついてきてよ」
「………なんだよそれ…」