わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
無理矢理狛くんの腕を引くと、その手を払われる。
ちゃんとついていくから離せ、という意味らしい。
………これでみんなが生徒玄関に行けば、みんなが集まったことになる。
望絵は、残念だけど。
狛くんの話を聞いちゃったら、もう呆然となんかしてられない。
「あ、芽衣!………と、狛?」
「悠人くん!他の人は?」
「あぁ、まだ誰も来てねぇよ」
生徒玄関に行き、まずはそこにいた悠人くんと合流する。
狛くんとずいぶん話をしていたような気がするけど。
あまり時間はたっていなかったらしい。
「……誰か来たけど」
狛くんの声に振り向くと、歩が立っていた。
「あれ?君は…狛、だよね?
見付かったんだ?」
「うん。途中ですれ違って」
話をしたことなどは伏せておく。
まためんどくさいことになっても困るし、妹の死の話なんて、出来るだけしたくないだろうから。
「あとは朱里さんと桜ちゃんだね」
歩は、私をみてニコッと笑った。
歩なりに、望絵という親友を失った私を気づかっているのかもしれない。
私はそれに、微笑んで返した。
もう正気も失わないし、最後まで諦めない。
その強い決意を胸に秘めて、全員がここに集まるその時を待った。