わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「………嫌な予感がする。
何かあれば、音楽室に集合で」
「え………」
私にだけ聞こえるくらいの小さい声でそう呟いた狛くんは、私の後ろからさりげなく移動する。
……嫌な予感……?
不思議に思って見ていると、狛くんは同じことを悠人くんにもした。
悠人くんは怪訝な顔で狛くんを見たが、狛くんはそれを無視してまた移動した。
……なんだったんだろう。
音楽室?
まぁ…何かをあったら音楽室ってことね。
一応、覚えておこう。
「うーんと…桜ちゃんは多分ほぼクリア状態だと思うから…朱里さんが何か言ったあと、もう一度謝ったりすれば大丈夫なんじゃないかな?」
「そうかな…。
でもでも、朱里ちゃんはっ?
朱里ちゃんはどうすればいいんだろう?」
「………。
私は…特に、佐久間のためにしてあげたことなんて思い付かないわよ…?」
「そうだなー…。ん?
いや、俺もあんまり何かしたとか言ってなかった気がするんだが。
と言うか…俺自身はなんも言ってねーよな?
歩がなんか言ったくらいで」
まだ少し赤い目を歩に向けながら、悠人くんが言う。
それを向けられた歩もまた、まだ少し目が赤いままだ。
「最初に『お葬式に行った』って言ったくらいかな?
俺とセットで考えられてたって方が正しいかもな。
桜ちゃんと朱里ちゃんも、セットで考えられてるっぽいしね」
「……………そうね。
私のせいで桜までクリア出来ないなんて…悪いわね」
「ううん!私は大丈夫だよ!」
桜ちゃんは困ったように少し笑って、朱里さんの言葉を否定した。