わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




「ちなみに『あの子』ってのは、佐久間先輩の分身なんだよ。
佐久間先輩はこのゲームを動かさなきゃいけないからね、追いかけてる暇ないし。

あたしは佐久間先輩から人に化ける能力貰ってさ、こーして協力してるんだ~


あたしってば、死ぬときなんにも計画せずに死んだから。
能力も何もなかったんだよねぇ」



………………。


話がぶっ飛び過ぎてる。


死ぬときに計画?


能力を貰った?


佐久間さんの分身…?



「まぁ、だから『あの子』には知力がないんだけどね。

佐久間先輩も全てを分けてあげることが出来ないから、目が見えなかったり同じことしか言えなかったりね。

あ、『あの子』がしゃべるときって誰か人間を見付けた時だけなんだよ」



ぺらぺらと色んな事を話す『この子』。


こんなに色んな事、しゃべっていいの?


『あの子』が人間を見付けた時にだけしゃべる、とか、私たちが知らなかったら鉢合わせて死ぬ確率が高くなるのに。


どうして『この子』は私たちの死ぬ確率を低くするような事まで…?


何を考えて言っているのかが全くもってわからない。


そっちに不利になるだけじゃないの?


私たちとしてはありがたいけど…。


こんなに簡単にしゃべられると、罠なんじゃないかと疑いたくなる。




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