わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
「………ふぅん。
なんだ、君がそれ持ってたのかぁ。
……確か、配膳室のぬいぐるみに入れといたと思ったんだけど、いつ取ったの?」
「……さぁ?
なんかあったから適当に触ってたら破けた。
そしたら出てきただけ」
狛くんがポケットから1つの光る石ころ…?を取り出して左右に降った。
………あ!
そういえば、悠人くんの姿をした『この子』に騙されたとき…。
そのあともう一度配膳室に行ったけど、そこにあったのは破けた空のぬいぐるみだった。
あれ、狛くんが取っていったんだ…!
でも、その石に何があるんだろう?
「……それ、この紙に書かれているものかしら」
何かに気付いたように、朱里さんがポケットから紙を取り出した。
朱里さんたちが探した、4階付近で見付けたものだろう。
「『この子の存在は、光が教えてくれる』。
もしかしてその石…」
「………。
多分、それだな。
会う人会う人、とりあえず人に会う度に光る。
…………が、芽衣、君と会ったときは光らなかった。
だから君と行動するのは危険かと思った…けど、ここで全員が集まったことで、答えは出た。
俺がここに来たときは悠人、芽衣、俺しかいなくて、その時は石が光らなかった。
けど…君…いや、『この子』、か。
桜って子の姿をした『この子』が来てから、光りだした……。
つまり、反応するのは一人のみ。
そいつが何か秘密を隠してる…ってな」