わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
『このままだと、多分このゲームの後にまた、誰かを選んでゲームが始まるわ。
だから…あなたたちに佐久間の暴走を止めてほしいの。
死んだ私たちにはもう出来ないから…。
何をすれば止まるかなんて、まだ全然わからないけど、少なくとも私が見ていたなかで佐久間は一番動揺していたのは委員長の言葉だったわ』
「私の、言葉?」
『そう。佐久間に言ったわよね。
「大切な人たち、傷付けてもいいの?」って。
その時、動揺してたの』
そういえば…その後、うるさいって叫ばれた気がする。
それはもしかして、私に叫んでいたの?
自分がしていることは間違ってないって、叫んで私の言葉を振り払っていたとか?
と言うことは、多少なりとも佐久間さんに罪悪感はあるわけだ。
『具体的にどうしたらいいか言え、って言われたら何も言えないけど、それでも私はあなたたちに頼みたい。
佐久間を…救ってあげて』
「えっ、明美さん!!」
目を伏せた明美さんは、そのまますぅっと消えてしまった。
「な、なんだったんだよ…」
悠人くんもさっきまで泣いていたのが嘘のように涙が止まっている。
「佐久間を救うとかなんとか、傷付けたのはどっちだって話だろ…。
後始末を俺らに押し付けるとか…あり得ねぇ」
「…………。
でもさ…反省、してたみたいだよね」
「……………まあ…。
許すとか、んなこと出来る気しないけど。
でもまぁ、佐久間が暴走してるってんなら、止めなくちゃな…。
見て見ぬふりしてた、俺にだって責任はある」
「……そうだね。
けど、きっとここにいても何も出来ない気がするから、とりあえず今は生きて帰ろうか」
そのためには、音楽室に行かないと。
狛くんをクリアさせて、ここから出る。
それが今の目標だから。